「海外留学に挑戦してみたいけれど、費用が高くて諦めかけている……」 そんな悩みを抱える大学生の皆さんに朗報です。

グローバル化が加速する現代において、海外での学びや異文化交流の経験は、将来のキャリアを切り拓く大きな武器となります。しかし、円安や物価高の影響もあり、留学費用の壁はこれまで以上に高くなっているのが現状です。

そこで注目したいのが、東京都が実施している独自の海外留学支援制度「東京グローバル・パスポート」です。この制度の最大の魅力は、なんといっても「返済不要の給付型」であり、最大90万円もの手厚い支援金が支給される点にあります。

本記事では、この「東京グローバル・パスポート」について、初めての留学でも挑戦しやすい「短期コース(春留学)」に焦点を当てて徹底解説します。

「自分でも応募できる?」「どんな留学計画を立てればいいの?」といった疑問に分かりやすくお答えしますので、ぜひ最後までチェックして、世界へ羽ばたく第一歩を踏み出しましょう!

東京グローバル・パスポートとは?

「東京グローバル・パスポート」は、東京都が実施している独自の海外留学支援制度です

この制度は、より多くの大学生等が「海外留学の最初の一歩」を踏み出すきっかけを作ることを目的として創設されました。そのため、これまで海外留学の経験がない学生も広く対象としており、海外での新たな学びに挑戦しようとする意欲を後押ししてくれます

東京都が本制度を通じて求めているのは、以下のような人物像です

  • 将来のグローバル人材として活躍したいという明確な目的意識と意欲がある
  • 自ら考え行動する主体性を持ち、未知の領域へ果敢に挑戦できる
  • 留学で得た知見を東京や日本社会へ還元する(社会貢献)意欲がある
  • 帰国後、これから留学を目指す後進の学生を積極的にサポートできる

つまり、単に語学を学ぶだけでなく、留学を通じて成長し、その経験を社会や次の世代にシェアしていく熱意を持った学生を積極的に支援する制度となっています。

支援内容(支給金額と対象期間)

海外留学には渡航費や学費、滞在費など多くの資金が必要ですが、東京グローバル・パスポートでは非常に手厚い経済的支援が用意されています。

■ 返済不要の「給付型」支援金

支給される支援金は、留学計画の実行に係る支援として定額が一括で支給されます。貸与型(後で返す必要がある奨学金)とは異なり、返済の義務がないため、卒業後の経済的な負担を心配することなく留学に集中できます。

■ 留学先によって異なる支給額

支給される金額は、応募時に第1希望として提出する受入機関(留学先)が所在する国・地域によって、以下の3段階に設定されています。

  • 90万円: アメリカ
  • 70万円: カナダ、シンガポール、欧州、中近東(※一部除外国あり)
  • 40万円: アジア(シンガポールを除く)、大洋州(オセアニア)、中南米、アフリカなど

※複数の国や地域にまたがって留学する場合は、滞在日数が最も多い国の金額が適用されます。原則として渡航前に支給されるため、出発前の準備費用にも充てやすいのが嬉しいポイントです

■ 対象となる留学期間(短期コース・春留学の場合)

今回ご紹介している「短期コース(春留学)」の対象となる留学期間は、以下の通りです。

  • 28日以上、3か月以内

「留学期間」とは、最初の受入機関で活動を開始する日から、最後の受入機関での活動を終了する日までの期間を指します(渡航・帰国にかかる移動日は含みません)。春休み期間などを利用して、約1〜3か月の短期集中で留学に挑戦したい方にぴったりなコース設定となっています。

応募対象者・主な要件

非常に魅力的な制度ですが、応募にあたってはいくつか要件を満たしている必要があります。ここでは、主な要件をピックアップしてご紹介します。

  • 対象者(在籍する学校): 国内の大学、大学院、短期大学、高等専門学校(4年生以上)、専修学校(専門課程)等に在籍する学生であること
  • 年齢制限: 2026年4月1日時点での年齢が「30歳以下」であること
  • 居住要件: 応募時点において、生計維持者(原則として父母のいずれか)が、引き続き1年以上「東京都内」に住所を有していること
    • ※学生本人が都外で一人暮らしをしていても、実家(生計維持者)が都内にあれば対象となります
    • ※収入の多寡(所得制限)は問われません
  • 学業成績: 在籍大学等における成績が、GPA2.5以上(4.0満点中)であること
  • 語学力(推奨): ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)で「B1」レベル以上の語学力が推奨されています(※英語であれば英検2級程度が目安です)。
  • 他の奨学金との併給: 国や民間団体等が行う他の「給付型(もらえる)」海外留学支援制度との併給はできません

最大のポイント「探求活動」とは?

「東京グローバル・パスポート」に応募する上で、最も重要になるのが「探求活動」です。

本制度の支援対象となるには、単に語学学校へ通うだけでなく、「留学目的・目標に沿った探求活動」が留学計画に含まれている必要があります

■ 「語学学習メイン」でも諦めないで!

「語学学習中心のプログラムだから、この奨学金は無理かも…」と諦める必要はありません。語学の習得を目的とする活動であっても、探求活動と組み合わせた留学計画であれば支援の対象となります。

■ 探求活動として認められる事例

探求活動とは、留学の目的を達成するために主体的に取り組む活動のことです。具体的には、以下のような活動が認められます。

  • 講義の受講: 大学や大学附属語学学校で、「歴史」や「文化」等に関する専門的な講義を受講する
  • 異文化理解: 大学等が実施する文化交流イベントに参加する
  • 現地調査: 講義の一環として、現地の企業や施設を訪問し、ヒアリングや調査を実施する
  • 社会活動: 民間企業やNPO法人でのインターンシップ、またはボランティア活動に参加する
  • 研究・実習: 大学の指導の下、研究室などで実験や実習を行う
  • プロジェクト参加: 大学で実施される地域課題解決プロジェクト(PBL)に参加する

【※要注意ポイント※】

探求活動を計画に組み込む際は、以下のルールを守る必要があります。

  • 個人での活動はNG: 探求活動は必ず受入機関(大学や語学学校など)の指導下で行う活動でなければなりません。個人的に行う異文化交流などは探求活動として認められないため注意しましょう
  • 報酬の受け取りはNG: 有償のインターンシップなど、報酬や活動に必要な費用(食費・宿泊費等)の補助といった金銭給付を受ける活動は計画に含めることができません。

応募の手順とスケジュール

応募は、学生個人が直接東京都(事務局)へ提出するのではなく、在籍する大学等を通じて行います

  • 応募システム: 奨学金サイト「ガクシー」を利用して、オンラインで応募書類(基本情報や留学計画書など)を作成・入力します
  • 提出の流れ: 学生がシステム上で作成した書類は、在籍大学等が内容を確認した後に、大学等から東京グローバル・パスポート事務局へ提出される仕組みです
  • 事前相談が必須: 応募にあたっては、留学計画について在籍大学等の指導教員や担当部署に必ず相談し、推薦状等の確認を受ける必要があります

【令和8年度(2026年度)短期コース(春留学)の主なスケジュール】

  • 応募開始: 2026年7月24日
  • 応募期限(大学から事務局への提出期限): 2026年10月15日 17時
    • ※注意:この期限は「大学等から事務局へ」の提出期限です学内の締め切り日はこれより早く設定されている場合があるため、必ず在籍大学の担当部署に確認してください
  • 採否結果の通知: 2026年12月上旬(予定)
  • 留学開始期間: 2027年1月1日〜2027年3月4日

派遣留学生としての義務・帰国後の活動

見事、派遣留学生として採用された場合、手厚い支援を受けられる一方で、いくつかの研修への参加や帰国後の活動が求められます。

  • 研修や報告会への参加: 留学前には壮行会(原則参加)や事前研修(参加必須)が東京で実施されます。また、帰国後にも事後研修(参加必須)や成果報告会(原則参加)への参加が求められます
  • 留学報告書の提出: 留学終了後から1か月以内に、留学の成果をまとめた「留学報告書」を提出する義務があります
  • アンバサダー活動への協力: 帰国後は、本制度の周知や海外留学の意義・効果などを伝える普及啓発活動(アンバサダー活動)に協力していただきます。海外での活動内容や成果を同世代に発表するなど、これから留学を考える後進の学生の挑戦をサポートする役割を担います

■ まとめ

「東京グローバル・パスポート」は、返済不要の最大90万円という手厚い経済的支援と、「探求活動」を通じた質の高い学びの両方を得られる、非常に魅力的な制度です。

「語学学習が中心だから…」と初めから諦めるのではなく、現地の文化交流イベントや講義、フィールドワークなどの「探求活動」を計画に組み込むことで、支援の対象となる可能性が十分にあります。

応募には大学等を通じた手続きが必要不可欠です。少しでも興味を持ったら、まずは募集要項や応募マニュアルをしっかり読み込み、学内の締め切りを確認した上で、早めに在籍大学の留学窓口や指導教員へ相談に行きましょう!