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CEFRを正しく理解しましょう

CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)をご存知ですか。

CEFRを正しく理解しましょう

CEFRとは?

最近出版された英語学習用教材に「CEFR: A2-B1」という記載があることに気づいた方もいるかもしれません。これは「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」と呼ばれ、言語を超えて一定の評価をするための基準として策定されたレベルです。これまでの「初級者」といった概念や、2技能であるTOEIC®では測れないアウトプット能力を正確に表すために採用されています。NHK出版のテキストをはじめ、日本でも多くの教材にCEFRレベルをつけることが標準化されてきています。

CEFRでは、初学者のA1レベルから熟練者のC2まで6段階(AからCまでのアルファベットに1または2の数字がつきます)に分かれ、それぞれのレベルでできるようになること、Can-Doリストが用意されています。Can-Doリストには「聞くことができる」という受身型、「話すことができる」という発信型の2種、493項目が各レベルに割り振られてあります。自分の能力をより正確に把握することが可能になったCEFR、是非語学学習に取り入れてみてください。

CEFRを使うメリット

CEFRはもともと複数の言語を超えて1つの基準を設定するために作成されたもので、例えば「A1」と評価された学習者であれば、英語であっても、スペイン語であっても、フランス語であっても同等の能力があると判断されます。詳細なCan-Doリストにより、このような比較が可能になりました。同時に、異なる資格試験であっても、CEFRによりレベルの比較をすることができます。例えばCEFRのB1レベルに相当する英検2級はIELTS4.0-5.0程度、次に目指すのは英検準1級またはIELTS5.5ということになります。今までは同じ試験の中で上位級を目指す方が多かったと思いますが、これからは同等の能力と判断される試験を複数受験したり、ある一定の能力までしか測定できない試験に全て合格したら、別の試験でその上のレベルを目指したりすることもできるようになりました。例えばGTECはB1レベルまでの設定となっていますが、CambridgeEnglishや英検、IELTSなどでそれ以上のレベルを目指すことができるのです。このようなCEFRの特性は、2020年の大学入試改革でも注目されています。センター試験に取って代わり、英語は外部試験が活用される予定となっていて、受験生は外部試験受験後、そのCEFRレベル付の評価表を大学に送付することで英語能力の証明とします。まだまだ日本人には馴染みの薄いCEFRのレベル、なるべく早いうちに感覚的にレベル把握をしておきましょう。

CEFRを学習に活かす

複数の試験をまたいだレベル判定ができるので、1つの試験に拘らなくても、別の試験で同等能力を保有していると証明する事が可能です。例えば同じB1レベルであっても、英検2級かTEAPかと選択することができます。スピーキングテストも対面の試験もあれば、コンピュータ上で行われるものもあります。自分の苦手な試験を受け続ける必要がないのです。また、Can-Doリストにより、その試験に合格するために必要なスキルセットが明らかになっています。学習の範囲がある程度限定されたとも言えるので、そのスキルセットに学習を集中させることができます。CEFRにより、学習者は自由度の高い試験選択と、限定された学習範囲を手に入れることができました。ぜひ学習にCEFRを取り入れ、最も効率よい形で目標を達成いただきたいと思います。

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