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TOEIC Part1の学習法

TOEIC Part1でスコアアップを目指す。

TOEIC Part1の学習法

出題者の思考に近づく

一枚の写真に対し、4つの選択肢が読み上げられるという出題形式のPart1に苦手意識を持つ人は少なくありません。どんな勉強をしたら正答率が上がるのかわからない、という方もいるでしょう。新形式では問題数が10から6に減ってしまい、難易度の高い問題だけが残されたような印象です。600点を目指すのであれば、少なくとも3問、願わくは4問は自信を持って正解したいパートです。

Part1が苦手だという方はまず日本語訳を確認し、出題者が何を試し、どんなトラップを用意していたのかを徹底的に分析してみてください。”fold”と”hold”のように日本人が苦手な音が試されるときがあります。「今彼はちょうどシャツを着ている」「彼はシャツを身につけている(=既に着ている状態)」のように、咄嗟の判断が必要になる問題もあります。「本は椅子の上にある」と、実際には本は椅子の下にあるのに、同じ単語を利用し、別の表現で言うものもあるでしょう。Part1の学習は、出題者の思考に近づくことから始まります。写真に写るものを客観的に列記し、それらを正確に文章にしてみましょう。最初は日本語でも構いません。自分が出題者だったら、どんな正解文と不正解を作成するか、という視点を持つトレーニングです。

ただ問題を解いて解説を読むという学習からの脱却がPart1正答率アップへの近道です。

聞き取りは音読トレーニングから

出題者の視点を持てるようになっても、Part1はリスニングの問題です。4つの選択肢のうち、2つ以上正確に聞き取れないものがあったら、正答率が下がってしまいます。Part1での聞き取りの精度を高めるには音読トレーニングが欠かせません。特にPart1のような単文・短文では、強く読まれる語とそうでない語を意識することで全体像の把握が可能になります。このようなリズム・イントネーション・アクセントも、ただ聞き流すだけでは習得できず、自分で声に出して何度も繰り返すことでようやく身につくものなのです。音読トレーニングを繰り返していくと、弱く読まれる語が聞こえなかったとしても、そこにどんな語があったのかを推測できるようになります。音読トレーニングを通じて得た文型の知識や語彙運用能力により、「聞こえなかったものでも理解は可能」を実現してくれるのです。Part1はたった6問しかありませんが、出題者の視点に立つトレーニング、音読トレーニングを行うだけでも、十分な学習時間の確保になります。

フリースタイル受験とコントロール受験

出題者の視点に立つ、音読トレーニングを行う、とPart1克服の準備は整いました。まずフリースタイル受験で、時間を測らず、音源も何度も聞いて受験をします。解説を読み、音読をし、ディクテーションをして、徹底的に復習をしましょう。充分に復習をしたら、本番と同じ環境で同じ問題に取組みましょう。正解がわかっているのに敢えて同じ問題に取組むのは無駄ではないかという意見が出ることもあります。しかしながら、どんな問題が出題されるのかを理解して臨むことで、時間配分やテストテーキングスキルに集中できます。また、リスニングがクリアに聞こえる、トラップを待ち伏せできるなどのメリットもあります。

Part1の正答率を上げることで、残りのより難易度が高いパートで精神的余裕が生まれます。最初に登場するパートを良いイメージで終えることができたら、続くパートでも普段以上のパフォーマンスが可能になることでしょう。

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