これからの英語教育を考える「グローバル人材育成ラボ」

企業の人材育成・雇用Manpower training

ビザと在留資格の違い・在留資格の分類

留学生だけでなく、外国人として日本に滞在するためにはビザ(いわゆる有効な在留資格)を確保しなければなりません。就職活動を行い、内定を獲得した場合でも、残念ながら内定をとれず引き続き就活をしていく場合でも、それぞれ在留資格の変更を行う必要が出てきます。 本ページでは、ビザと在留資格の違い、在留資格の分類から、留学生に関係している在留資格の要件、申請時期等をまとめてご紹介しますので是非参考してください。

ビザと在留資格の違い・在留資格の分類

ビザと在留資格の違い

ビザ(査証)は、自国民以外の人に対して、その人が所持しているパスポート(旅券)が有効であり、かつその人物が自国に入国しても差し支えないと国が認める証書のことを指します。わかりやすくまとめると、大使館や領事館が所定の審査をした結果、入国してもらってもいいと認められたもので、日本の場合はパスポートに貼付されます。

ただ、ビザが発給されたとしても、かならず日本へ入国できるとは言えません。入国審査官が上陸審査を行い、それをクリアした人がはじめて「在留資格」をもらうことができ、最終的な入国が認められることになります。

まれに、入国審査で許可されず、帰らざるを得ない人がいます。

「在留資格」とは、そういった入国審査を通った外国人が日本に入国して従事することができる活動、あるいは在留できる身分を表したもので、2018年2月現在併せて30種類の在留資格が存在しており、行う予定の活動や身分に変更が生じる場合、在留資格の変更を行う必要があり、期限が切れる前に在留資格の更新を行わなければなりません。

例外として、ビザを事前に申請することがなくても入国が許可されることがあります。査証相互免除取り決めのある国の国民などがあげられます。外国人の子供が日本国内に生まれる場合などの特例は、それぞれの在留資格に関しては細かく規定されています。

 

在留資格の分類

大きく2種類の在留資格があります。いわゆる就労制限のない「身分系」の在留資格と、そのほかの就労制限のある在留資格です。

 

身分系の在留資格は、下記の4種類あります。

・永住者

・永住者の配偶者等

・日本人の配偶者等

・定住者

上記4種類の在留資格に関しては、大きな特徴として就労の制限がありません。法律に反しない限り一切入国管理局に許可をとる必要なく働くことができます。

また、「永住者」はその名前の通り無期限で日本に在留できますが、そのほかの3種類はそれぞれ許可されたときに期限が決められます。

そのほか、いま皆さんがお持ちの「留学」をはじめ、20種類以上の在留資格には、多かれ少なかれ就労制限が課せられています。この中で、皆さんと関係のあるものについて主にご紹介します。

 

留学

→現在多くのみなさんがお持ちの在留資格だと思います。現在、小中高から専門学校、大学、大学院、日本語学校まで「留学」の在留資格が与えられていますが、実は小中学校に関しては最近まで対象として認められておらず、高校、日本語学校に関しては「就学」という別の在留資格が与えられていました。留学生の安定した在留のため、またジュニア化している留学に対応するために現在すべて「留学」一本にまとめられています。

就労不可、という制限はありますが、「資格外活動許可」を受けている場合は週28時間(長期休暇中は一日8時間)までのアルバイトは許されています。

 

短期滞在

→日本に旅行に来たことのある人ならお分かりでしょう。主に旅行、商用、親族訪問などを目的として、状況に応じて90日、30日、15日などの在留期間が与えられます。

どんな理由があっても、短期滞在のままでは報酬を受けての就労はできません。ワーキングホリデーをご希望の方は、「特定活動」の在留資格になります。

 

研究

→政府関係機関あるいは企業で研究員として勤める際の在留資格になります。大学で教授や研究をされる場合は別で、「教授」在留資格に該当します。

 

技術・人文知識・国際業務

→留学から就労へ在留資格を変更する際に一番多くみられている在留資格です。もともとは理系(例:エンジニア、プログラマー等)でしたら「技術」、文系(例:翻訳・通訳、経理、営業等)でしたら「人文知識・国際業務」と別々でしたが、包括的な業務をしていることが多くなってきているので統合されました。

基本的に、申請した際の勤務先や業務内容で判断されていますので、転職等をした場合は要注意です。

 

企業内転勤

→外国の本社・支店から日本の支店・本社または関連会社に転記する場合の在留資格です。在留資格は違う名称ですが、基本的に「技術・人文知識・国際業務」とは同じ審査基準になります。また、外国の本社・支店においては1年以上の勤務歴が求められます。

この場合、転職などをしたら直ちに入管へ届け出し、在留資格の変更申請をし、審査を受ける必要があります。

 

経営・管理

→自ら起業する、あるいはすでにある会社の代表取締役、取締役に就任する場合に付与される在留資格です。ただし、日本人が会社を設立するときよりは条件が厳しく、例えば資本金が500万円以上なければならず、加えて収益の見込める事業計画書等が求められ、厳正にチェックされます。

この場合、いきなり長い在留期間が付与される可能性が低く、特に起業の場合はほとんど「1年」からのスタートになり、会社の経営状況が安定してから長い在留期間が与えられます。

 

高度専門職

→昔は「特定活動」の一種類として「高度人材」がありましたが、2015年に独立した在留資格となりました。上記の「研究」、「技術・人文知識・国際業務」、「経営・管理」がアップグレードしたもので、それぞれ「高度専門職1号イ」、「高度専門職1号ロ」、「高度専門職1号ハ」が対応しています。3種類それぞれ得点項目が決められており、そのポイント表から70点以上を獲得できれば、「高度専門職」の在留資格へ変更できる可能性があります。

「高度専門職」の在留資格を入手できれば、さまざまな優遇措置が受けられます。代表的なものとして、永住申請までの期間が通常の10年から3年、あるいは1年(ともに条件あり)と大幅に短くなります。また、現在の会社等だけでなく、複合的な就労が認められる場合もあり、そのほか、入管においての各種手続きが優先して処理されるなどメリットもあります。

普通の就労系在留資格でしたら、1年から、または3年からスタートということが多いのですが、「高度専門職1号」の場合、5年間の在留期間が一括で付与されます。「高度専門職1号」を獲得した3年後、「高度専門職2号」への変更ができ、永住と同じく在留期間が無制限になります。

 

特定活動(継続就職活動)

→「特定活動」在留資格は、10以上の細かいシチュエーションに分類されていますが、留学生と関係があるのがこちらの「継続就職活動」でしょう。

つまり、卒業まで就活をしていたが残念ながら内定をもらうことができず、引き続き日本で就活をしたいというときに申請するビザです。

たくさんの資料を揃えて提出しないとダメですが、許可された場合、6か月の在留が認められ、その後一度延長ができるため、卒業後最長1年間日本に残り就活をすることができます。また、この期間内でも、「資格外活動許可」を受けている場合は「留学」と同じくアルバイトすることができます。

 

家族滞在

→日本の中長期在留者(永住者など身分系は除く)が母国にいる配偶者や子どもとともに生活するための在留資格です。子どもの場合、就学は認められていますが、就労は認められていません。「資格外活動許可」を受けている場合は週28時間までのアルバイトは許可されます。

ただし、「高度専門職」在留資格の取得者の配偶者の場合は優遇され、「特定活動(高度専門職外国人の配偶者)」在留資格へ変更することで、通常の就労系在留資格の要件を満たさなくてもフルタイムで働くことができます。

この記事についての情報提供は

海外留学推進協会

海外留学推進協会は、海外留学を無料でサポート・無償で支援しています。様々な形での留学の情報提供をしながら、大学・高校・語学学校への留学情報や奨学金情報などを提供しています。各種説明会(セミナー)も実施中です。

留学を検討している方はコチラ

トレンドキーワード