企業の人材育成・雇用Manpower training
日本の就活って、いろいろルールがあり、外国人留学生にとっては理解しづらいもの。本サイトでは、日本での就活を経験し、いま実際に日本の企業に勤めている先輩に根掘り葉掘りインタビューをしました! 第五弾は、ちょっとマイナーな業界、ジュエリーメーカー在職中のTさんからお話を伺いました。学生時代のバイトが、就職につながる…なんて話も?
T.X.さん
中国出身、語学関連大学院卒業
2017年卒 ジュエリーメーカー在職中
Q:Tさんがいま勤務されている会社というのは、学生時代のクライアントだったと聞きましたが、ご経歴について少し詳しくお聞かせ願えますか?
A:私は中国国内の大学で日本語学科を卒業後、日本に来て大学院で同時通訳を専攻していたので、指導教官や先輩からたびたびお仕事を紹介していただいていました。いま務めている会社は、その時のお客さんだった、ということになりますね。
Q:なるほど、そういうことだったのですね。ちなみにいま働かれている会社以外、一般的な就活もされていましたか?
A:もちろん、説明会行ったり、就職情報サイトを使って企業を検索したりしていました。併せて10社くらいの選考は受けていたと思います。
Q:その10社というのは、具体的にどのような業界でしたか?教育系とか語学系とかですかね?
A:いや、ITとか、金融、証券の会社も受けたりしました。ただ、個別説明会や1次面接では違和感を覚えて、なんとなく雰囲気合わなさそうだなと思った会社が結構多かったです。私の個性が強すぎたかもしれません(笑)
Q:内定のために自分を抑えて無理やり受けても仕方ないし、内定をもらえたとしてもミスマッチでやめてしまうことにもつながるかもしれませんよね。Tさんみたいなやり方は全然ありだと思います。
Q:話戻しますと、元々知っていた会社だったら、応募のルートとかは少し違ってくると思いますが、そこについてはどうでしたか?
A:私の今の会社の場合、一般的な面接を何回もやるようなめんどくさい選考過程はなかったです。履歴書を提出して、1回面接をしてもらって、それから正式に会社訪問をして内定をもらったという流れでした。
Q:お、結構短縮されているような感じですね。Tさんは学生時代たくさんお客さんに会われてきたと思いますが、その中でいまの会社を選んだきっかけも教えてもらってもいいですか?
A:なんて言ったほうがいいですかね?正直、とにかく忙しそうだったのです。ですがみんな一人ひとりが明るくて対応も心地よくて、さらに仕事にプライドを持って取り組んでいる姿に刺さりました。
Q:なるほど、働く人に惹かれた、というパターンですね(笑)私もそうだったのですごくお気持ちがわかります。まったく聞いたことなくて説明会ではじめて会う会社でも、つながりのある会社でもこういったことが起きるものなんですね。きっと、相手の方々にとってもTさんの仕事は印象的だったと思います。
A:実際に私も入社した後に会社の人に聞いてみました。「なんでその時は私を採用したんですか?」と。そしたら向こうの回答もほぼほぼ一緒だったんです。
Q:それはすごいですね。Tさんにとっても今は働いている会社にとっても良い出会いだったと思います!(笑)就活とは関係ないのですが、こうした学生時代に受けるお仕事と言いますが、バイトとかでも、何かアドバイスはありますか?
A:お客さんとお付き合いする時は空気を読んで、相手の気持ちを思いやることが大事だと思いますね。ビジネスになるともちろん交渉力も必要になってきますが、そこに関しては就活でも一緒だと思っています。交渉力というのも、わかりやすく言うと「自分を売り込む」ことですね。相手の需要を把握して、それに合った自分のスキルをアピールしないといけないですよね。
Q:きれいにまとめていただいてありがとうございます!もうコメントしようもないです(笑)
Q:時系列がズレてしまいすみませんが、Tさんはインターンとかも参加されましたか?
A:インターンに関しても、ゼミの指導教官の推薦でとある超大手保険会社で長期のインターンをさせていただきました。
Q:日本のこの就活環境で言うと相当珍しいと言えますね。
A:そうですね!ただ、男子はほとんどが営業をやっていて、女子は事務職が多く、キャリアが固まっているような気もしました。決して雰囲気は悪くないですが、あまり自分には適しないなと思っていたので、最終的に採用選考には参加しませんでした。
Q:なるほど。まぁ先ほどのお話とは少し重複しますが、やはり相性が大事ですよね。
A:それは本気で思いますね。就活塾に行っていた時でも…
Q:就活塾ですか?通われたことがあるんですね。ぜひ詳しいお話をお願いしたいです!
A:良い意味で言うと、高い確率で選考を通過できるスキルや応対の方法を教えてくれるのはよかったです。ただ、また私の持論になるんですが、就活塾で学んだ学生はみんな同じパターンになるので、あまり個性が見えなくなっているところがデメリットじゃないですかね。
Q:そうですね…そこは難しいところですよね。
A:あとは日本人でも留学生でも大手企業とかを狙うことも多いのですが、実際にみんなが「良い」と言っている企業は本当に本人にとって良い企業になるのか。というのは正直かぎらないので、自己分析や企業分析はやはり大事だなと思います。そこで教わった内容はすごく助かりましたね。
Q:おっしゃる通りですね。企業分析は本当に就活においては欠かせない、大事な部分だと思います。そしてもう一つの気づきとしては、大手ばっかりではなく、優良の中小企業にも目を向けるべきということですよね。
Q:それでは、いまいらっしゃるジュエリー業界についてはみなさんよくわからないと思いますので、少しお話いただけますか?
A:はい。まず言うべきなのが、かなり特殊です、ジュエリー業界は。百貨店とかも最近の何年間はそうですが、中国人の購買で盛り上がっていますよね?ジュエリー業界全体が中国を見ている、と言っても過言ではないくらい、中国人のニーズに合った商品を作っているんです。
Q:なるほど。確かにおっしゃる通りで、「爆買い」という言葉が作られるまで中国人の購買が大きかったんですよね。
A:そこでチャンス!と思いました。なぜなら、こういった業界だと、中国人の力を必要にしていますし、中国人としては活躍できそうだなとも思いましたね。
Q:さすが!これでジュエリー業界に目を付けたんですね。
Q:いろいろ貴重なお話をしていただいてありがとうございます。Tさんの就活への思いとか、会社を選ぶときのこだわりをすごく感じました。まとめと言いますか、これから就活をする後輩や、いま就活中の後輩に対してメッセージを一言いただけますか?
A:さっきも言ったのですが、とにかく私は「自分が納得できる場所」というか、「自分を認めてくれるところ」を見つけたかったんです。
Q:その信念を持つことも、最後まで貫くことも、本当に素晴らしいと思います。よく「企業選びの軸」をブレさせないことが大事と言われていますが、実際にできている人は少ないのが現状ですよね。焦ってしまって、最終的に内定をもらうことがすべてになってしまったとか。
A:就活というのも、会社に自分を選んでもらうのだけでなく、自分も会社をよく見て選ぶべきだと思います。
Q:名言ですね。ぐっときました。
A:もう少し言うと、「自分の欲しいものを知る」ということですね。自分が何を求めて働くのか。今後どのようなキャリアを歩みたいのか。そのために、1社目はどのような会社にしたほうがいいのか。自問自答をすると、ある程度道は見えてくると思います。極端な話、お金のために働くというのもおかしくないですし。
Q:うんうん。社会人になって、1社目は経験を積むためなのか。それとも仕事の内容にこだわるのか。報酬の額に執着するのか。それでかなり会社選びも変わってくると思います。
A:就活は本当に正解がないものだと、私は思っています。絶対に正しい回答、絶対に入るべきという会社は存在しないと思いますので、その時自分にとってのベストアンサーで良いんです。もちろん、社会人になってからでも自分のスキルとか知識をアップデートし続ける必要もありますが。
Q:メモとらせてください(笑)就活の時の内定は、ゴールではないということですよね。
A:そう!まとめると、就活をする後輩には、今後のキャリアをしっかり考えて、自分や会社のニーズを把握して、ブレずに自分の人生を生きてもらいたいですね。
Q:きれいにまとめていただきありがとうございました!(笑)