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企業の人材育成・雇用Manpower training

就職活動の新しい常識

今、企業が求めているのはコミュニケーション能力の高い学生です。近年では、課題解決能力やリーダーシップも重要時されているようです。

就職活動の新しい常識

就職活動の古い常識と新しい常識

海外留学に関するセミナーや講演を行った際に、留学を希望する学生とお話をさせていただくのですが、未だに「過去の常識」に捕らわれ、今後、企業がどのような人材を求めているのかへの理解が追い付いていない学生が多いなと感じます。

「過去の常識」とは、「誰もが知る有名大学に入学しなければ良い就職ができない」というもの。「有名大学卒」という武器を持たずして就活には勝てないと誤解している学生たちにいつも紹介しているのが、一般社団法人 日本経済団体連合会が毎年発表している「新卒採用に関するアンケート調査結果」の「選考にあたって特に重視した点(5つ選択)」です。

毎年このアンケート結果を見ていますが、ここ10年の不動の1位は「コミュニケーション能力」です。2016年のデータでは、なんと87.0%の企業が重視していると回答しています。それ以外、毎年上位にランクされているのは、主体性、協調性、チャレンジ精神、誠実性、ストレス耐性、責任感、論理性など。近年では、課題解決能力やリーダーシップも上位に入ってきています。残念ながら、「専門性」や「大学名」は、常に下位にランクされ、選考にあたっては「特に重視」されていません。

引用:2016年度新卒採用に関するアンケート調査結果
http://www.keidanren.or.jp/policy/2016/108.html

留学生でも例外ではない

ここ10年間、私が関わってきた学生のほとんどは、誰も知らない無名の大学へ留学していますが、皆さん立派な会社にしっかり就職されています。専門知識をつけるために学部課程から有名な研究型総合大学に留学しようと考える学生も多いですが、実際には、学力的にも予算的にも条件を満たせる学生はとても少ない状況です。

私が関わってきた学生の多くは、返済不要の奨学金の支給を受けながら、コミュニケーション能力をつけるのに適した小規模のリベラルアーツ系の大学に行き、寮生活をしながら協調性を学び、遊ぶ場所のないアメリカのド田舎でチャレンジ精神とストレス耐性を徹底的に磨き、クラブ活動でリーダーシップを発揮し、ディスカッション中心の少人数制の教室で課題解決能力をつけて帰国しています。「誰も聞いたことがない大学」というハンデを負う可能性はあるかもしれませんが、それよりも企業にとって魅力的な「人材」になることを信じ、努力をしてきた学生たちは、実際に就職でもしっかりと実績を残してきています。

有名大学で、専門知識をつけることは大いに結構なことですが、企業は、幅広い教養や、コミュニケーション能力、主体性、協調性、チャレンジ精神など重視していることを頭に入れておきましょう。

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