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留学の新常識Study abroad

日本人の常識がアメリカでは通じない

日本ではなんでもないことがアメリカの学校では重大な問題に繋がる可能性があります。今回は現地の学校で起きたトラブルについて紹介します。

日本人の常識がアメリカでは通じない

事件の発生

以前、日本人留学生がアメリカの高校在学中に危うく退学処分(強制帰国に繋がる)が下されそうになる事件が起こりました。些細な原因で重大なケースに進展してしまったので、これから留学される皆さんに注意喚起の意味も込めて事例をご紹介します。

 

とある日本人留学生がアメリカでの生活を始めて8ヶ月が過ぎ、滞在も終盤を迎えたある日、突然学校から警告書が発行され10日間の停学処分を言い渡されました。10日間の停学期間中に退学処分が決定する予定とのことで、本人や保護者、またホームステイ先のファミリーも全員ショックを受けました。警告の内容を確認すると、その日本人留学生が学校で武器を所持していたのが先生によって確認され「危険行為 レベル5(最大レベル)」として学校長に認定され処分が確定したとのことでした。彼は日本で使用していたペンケースを中身もそのままの状態で現地に持って行き、アメリカの学校にも持って行っていたのですが、ペンケースの中には刃の幅が1センチほどの細いカッターナイフが入っていたのです。日本の学校で普通に使っていたペンケースのため、彼自身カッターが入っていたことさえ忘れているほどで、全く悪意はありませんでした。しかし学校側は悪意がなかったとしても武器の所持は違法とみなし、彼の退学処分を確定させるための審議を進めてしまいました。

周囲の助けを求める

留学生本人と保護者の話を聞いた我々と彼のホストファミリーは連絡を取り合い、学校側に処分を取り下げて貰えるよう作戦を立てました。学校での審議には本人は出席できませんが、ホストファミリーには弁明する機会が与えられることとなり、ホストファミリーにも尽力いただくことになりました。まずは、我々の方で日本の学生が学校で使っている一般的なペンケースの写真やカッターも入っているペンケースの中身の写真を沢山集め、日本の複数の高校の文房具の持ち物リストを入手し、日本ではペンケースの中にカッターが入っていることは良くあること・武器の所持という意識は全くないことの裏づけする資料を作りました。また、ホストファミリーの方では彼の高校の友人の協力も得て、沢山の人の署名を集めました。我々はこちらで用意した資料を彼のホストファミリーに送り、電話で資料の使い方や弁明の内容をホストファミリーと打ち合わせ、その後ホストファミリーは審議へ挑みました。

周囲の理解と関係性の構築

ホストファミリーが審議に参加し、我々が用意した資料を使って弁明をしてくれました。8ヶ月もの間一緒に暮らしてきて、アメリカでは彼の事を一番理解しているホストファミリーから出た言葉は学校関係者の心を動かし、退学処分を取り下げることに成功しました。ホストファミリーが審議に参加し、弁明してくれなかったら恐らくそのまま退学となっていたことでしょう。仕事の合間時間を作って審議に参加してくれたホストファミリーに我々や留学生本人が感謝の気持ちを伝えたところ、「実の息子と思っているので当たり前だ。」との答えが返ってきました。第三者の我々もこの一言に心を打たれました。この事件後、彼とホストファミリーとの絆はもっと強いものとなりましたが、やはりホストファミリーや友人との関係性の構築が彼の留学生活を継続させるために最も重要な鍵となったようです。

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