留学の新常識Study abroad
トランプ大統領による、過去の発言や公約している施策によって、アメリカに留学して大丈夫なのだろうか、アメリカの治安が悪化するのではないかといった心配から留学を躊躇している人も多いようです。今後のアメリカ留学の安全面や治安面を占ってみましょう。
まず、アメリカの治安の現状について把握しましょう。アメリカ司法省の統計によると、ほぼあらゆる犯罪種類において、犯罪率は毎年減少を続けています。
暴力系犯罪率は1970年以来の低水準(人口10万人中375.7人)、殺人発生率は統計数字を確認できる1960年以来最低の水準(人口10万人中4.5人)にあります。アメリカの過去50年の中でも、今がもっとも治安のよい時期と言え、全米レベルでの改善トレンドは現時点で変わる気配がありません。
アメリカの大学キャンパスの治安状況はどうでしょうか。大学など高等教育機関のキャンパス内での犯罪数も、毎年低下を続けており、アメリカ教育省の統計によると2005年から2014年にかけて、犯罪件数は41%も減少しています。
アメリカではキャンパス内外での治安が過去にないほど良くなっており、安心してアメリカに留学できそうです。
今度は、ドナルド・トランプ氏が大統領になったことによる、今後の動向について検討しましょう。
トランプ大統領は、「アメリカ第一(America First)」を政権運営のビジョンとして掲げています。アメリカ人にとって、アメリカの治安が良い方が良いことは、言うまでもありません。ドラッグの取り締まりなど国内の治安改善を訴える大統領命令を発し、国外からの脅威に対しては歴史的な軍事費の増大によって対応しようとしています。
アメリカ経済の改善への期待により、トランプ氏の大統領選勝利時には一気に円安ドル高が進みました。仕事を失ったり生活に困るから犯罪が増えるのであって、一般的には景気が良くなれば、治安も良くなります。
トランプ大統領の任期中に、アメリカの治安改善が進む要素は多いと考えられます。
トランプ大統領は、アメリカにとってメリットの少ない外国人や非合法移民には冷淡ですが、メリットが多いと考えられる人たちの受け入れに反対する姿勢は見せていません。
アメリカにとってメリットになる人とは、アメリカ国内の大学や大学院、語学学校などで授業料や生活費を落としていってくれる人です。日本人であれば、素行がよいことで知られており、宗教上のトラブルも少なく、留学後に日本に帰国する人がほとんどなので、アメリカにとってはメリットばかりです。
もちろん、アメリカの治安やアメリカ留学に関する状況は刻一刻と変化していきますので、その都度判断していく必要はあるでしょう。ただ、現時点で得られる情報では、アメリカ留学は過去にないほど安心して実現できると言えます。