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英語教育におけるICT教育

ICT教育の中でも、近年特に注目を集めているのが、タブレットやコンピュータを用いた、オンラインの英会話授業です。英語教育においてICTを活用するための方法と事例を紹介します。

英語教育におけるICT教育

教育現場でのオンライン英会話導入の効果

オンライン英会話授業は、ICT教育の効果が認められています。
独立行政法人経済産業研究所が行ったフィールド実験では、高校1年生322名を対象にSkypeを用いた英会話学習プログラムを用い、その効果を測定しました。
結果、すぐさま英語コミュニケーションテストの点数が向上したという証拠はないものの、学生の態度に変化が見られ、その結果として長期的には英語コミュニケーション能力が向上する可能性をあることが示唆されました。

引用:独立行政法人経済産業研究所
“http://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/17e030.html”

2020年入試制度革命によるスピーキング対策

オンライン英会話を積極的に導入する中学、高校は徐々に増加しています。1対1の授業では、生徒は積極的に話さざるを得ない状態となり、スピーキング能力は飛躍的に伸びる傾向があります。
2020年の入試制度改革によりスピーキングが入試に加わるため、その対策として導入する中学高校が多いようです。

ICT教育は、日本の将来を担う小学、中学、高校生世代の教育の質の向上につながり、今後は益々教育現場への導入が進むと考えられています。

学校でのオンライン英会話導入のヒント

導入には回線やデバイスなどのインフラ設備の準備が必要となり、費用的な面でもハードルが高いのも事実です。
導入にあたり準備する項目と注意点を紹介します。

準備項目

1.ネット環境の整備

映像、音声のデータを一度に大量にやり取りするオンライン英会話では、強固なネット環境が必要になります。回線、ルーター、アクセスポイントが代表的なもので、それぞれが、オンライン英会話でデータをやり取りする際に、十分な性能のものか確認し、整備する必要があります。

2.IT機器の整備

ネット環境だけではなく、生徒や使うPC、タブレットも重要です。性能がオンライン英会話に耐えうるものでないと上手くデバイスが作動しないので、きちんと確認の上で購入・整備する必要があります。また、オンライン英会話に何のソフトを使うか、そのソフトとデバイスの相性は良いか、なども重要な確認項目です。

3.セキュリティ対策

教育機関で使用するものである以上、十分なセキュリティ対策を施すことが必要となってきます。専門の業者に相談するもが良いでしょう。

4.活用の仕組みづくり

オンライン英会話をどのように活用するのかも、重要な項目の一つです。
正規の授業の中で活用する学校もあれば、夏期講習などの課外コースとして活用する学校、海外留学の前に短期集中で活用する学校、まずはESSクラブで使いたいということで部活動に活用する学校など、様々な活用形態があります。自分の学校にはどの様な形態が良いか検討した上で導入し、また導入初期には、IT機器のトラブルなどで生徒が授業を受講できないなどの事態が起きないよう、複数の教員でサポートしていく仕組みも大切です。

導入の注意点

Skypeを使う場合

オンライン英会話授業で最も使われるのがSkypeです。しかし、中学高校などの教育機関で導入する場合にはクリアすべき注意点が多数存在します。

  1. 授業外でも生徒がアカウントを使用することができる。
  2. 広告が表示されることがある。
  3. 学校外の第3者からコンタクト申請が送られてくる場合がある。
  4. アカウント情報が学校外に流出する可能性がある。
  5. ウイルスが送られてくる危険性がゼロではない。

場合によっては生徒の個人情報が流出したり、校内の情報が流出したりする可能性もあるため、導入は慎重に行う必要があります。Skypeでオンライン英会話を導入する場合には、校内のICT教育担当の方や専門家に意見を求めるようにしましょう。
Skype以外にも、専用の通話システムを構築し、生徒や学校の安全性を高めた授業を行っているサービスもありますので「Skypeを使うのが当たり前」と思わず、十分に注意して選びましょう。

講師側のインフラ環境

サービスによっては外国人講師が自宅のネット回線で授業を行っているものもあり、講師側の生活音が聞こえてきたり、講師側のインフラ設備の不備によりスムーズな会話が行えないなどの問題が発生するケースがあります。

近年開校している多くのオンライン英会話スクールには、環境やサービス内容など多種多様ですから、導入前には講師の質だけではなく、講師の勤務場所やインフラ環境の確認は必ず行いましょう。

学校でのオンライン英会話導入事例

実際にオンライン英会話を教育に導入している事例を紹介します。

【導入事例1】東海大学菅生高校

東海大学菅生高校では、2016年度に高校1年生の特進クラスにおいて、タブレットを用いたオンライン英会話授業を導入しました。
授業では毎週木曜日と金曜日の朝学習の時間帯に25分間、フィリピンの講師と1対1のレッスンを行っています。

生徒が1対1で話す環境を作り出すこと、そして生徒1人1人のレベルにあった教育を行うために、オンライン英会話授業を導入しました。
生徒からは楽しいという声が多く、話せなかった単語やフレーズについて、自ら課題を持ち、調べて次回に実践するという良いサイクルも生まれているとのことです。

■導入形態
レッスンスタイル:授業
受講場所:学校
教材:オリジナル教材
※Skypeとは異なる、オンライン英会話専用の通信システムを使用中。

引用:企業・学校法人向けの英語研修のリンゲージ
“https://www.linguage.jp/corp/school/ict/”

【導入事例2】三田国際学園中学校・高等学校

三田国際学園中学校・高等学校では、英検の対策としてオンライン英会話授業を導入しました。受講した生徒はみんな、「本当に楽しい」と喜んで取り組んでいたということです。

■導入形態
レッスンスタイル:授業
受講場所:学校
教材:オリジナル教材

引用:レアジョブ英会話
“https://www.rarejob.com/school/highschool/”

【導入事例3】大妻中野中学校・高等学校

大妻中野中学校・高等学校では、2016年4月よりコミュニケーション能力及び表現能力の養成のためにオンライン英会話授業を導入しました。

■導入形態
レッスンスタイル:授業
受講場所:学校

引用:QQEnglish
“http://www.qqeng.com/blog/3327-2/”

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