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「つらくても、諦めないでほしい」-大手IT会社 Wさんインタビュー

日本の就活って、いろいろルールがあり、外国人留学生にとっては理解しづらいもの。本サイトでは、日本での就活を経験し、いま実際に日本の企業に勤めている先輩に根掘り葉掘りインタビューをしました! 第三弾は、現在日系大手IT会社に勤務中のWさんが登場!今は仕事を楽しんでいますが、就活の時は苦労が多かったと振り返るWさん。どんな挫折をし、どのように努力したのかを教えてもらいました。

「つらくても、諦めないでほしい」-大手IT会社 Wさんインタビュー

プロフィール

W.Z.さん

中国出身、大阪大学大学院卒業

2017年卒 大手日系IT会社在職中

 

就活の振り返り

Q:Wさんは2017年に大学院を出て就職されたのですね!私も2017卒のみなさんと一緒に就活したので、いますごく懐かしく思います。留学生は卒業間際たいてい母国に帰って就職するか、日本で就職するかと迷う時期はあると思いますが、Wさんはいつから日本で就職しようと決めましたか?

A:私の場合、2016年の2月ですね。その年の就活広報解禁の1ヶ月前です。私は留学生活が楽しかったというのもあって、どうしても日本に残りたいなと思って就活を始めたんです。

Q:ギリギリでしたね(笑)それでは、どういう業界を狙っていたとその理由、エントリーした社数を教えていただいてもいいですか?

A:最初は食品業界を狙っていたんですよ。単純に海外、特に中国との貿易関係があり、需要がなくならないと考えました。食品に近い物流や小売とかも応募していました。ざっと計算して他の業界を合わせて大体50社くらいはエントリーしました。

Q:かなり社数が多かったですね!

A:そうですね。今から見ると当時は大手かそのグループ会社しか応募していなかったのが敗因かもしれません。

 

学内のサポートをフル活用

Q:阪大院卒のご出身ということでお伺いしたいのですが、阪大では留学生向けの就職セミナーとか、学内説明会とかはありましたか?

A:それはいっぱいありましたね(笑)留学生専門の合説もありましたし、就職活動に向けてのセミナーにも参加していました。あとはキャリアセンターに行けば相談もできるし、予約さえすれば模擬面接とかにも付き合ってもらえていました。

Q:そういうものを積極的にやってくれる学校がうらやましいです(笑)

A:あ、あとエントリーシートとかもお願いすればチェックしてもらえていましたね。

Q:ここもポイントですね。やはり留学生が日本語の母語話者ではないので、表現がややこしくなったりしますよね。

A:そうですね!キャリアセンターの先生以外で日本人の友達にもお願いしていました。エントリーシートの添削も、面接の練習も。

Q:友達に協力してもらうのもいいですよね。

 

選考時気を付けたいこと

Q:ちなみに、Wさんがエントリーシートを作成するときに気を付けたほうがいいなというポイントとかあれば教えてください!

A:すごく基本的なことなんですが、志望動機はわかりやすいよう箇条書きにしておいたほうが良いなと思います。あとは自己PRとかも、だらだらと長く書くのではなく、まず「○○を通して○○を得ました」みたいに結論を出して、そこからストーリーを述べて、最後に一言まとめの言葉をつければOKかなと。

Q:人事の方も短時間に何十枚何百枚のエントリーシートをチェックしているわけですので、わかりやすく書いたほうが好感度も高くなるでしょうね。社会人になってからも「結論ファースト」って日々言われています(笑)

A:あと書き方とかではないのですが、私が気を付けたほうがいいと思うのがもう1点あって、就活の時に会社に提出した書類を全部コピー取って、はっきり言って面接に行く前の復習用ですね。

Q:確かに、それもやったほうがいいですよね。この会社のエントリーシートはこういう内容を書いてこう質問されてしまったから今度から変えよう、という反省にも生かせると思います。グループディスカッションのほうはいかがですか?

A:正直、私個人は絶対リーダー役やらないと決めていて、タイムキーパーとか、みんなの意見をまとめるサポート役などはやっていました。

Q:なるほど、結構珍しいタイプですね(笑)

A:あとは簡単なことですが、元気に、自信をもって自分の考えを話すといいと思います。

Q:確かに。外国人の受験者はそれをやるだけである意味アピールにもなりますよね。

A:面接とかもそうですが、実際にやってみないと、練習してみないとわからない部分が多いと思いますので、まず積極的に練習することですね。

Q:今までのインタビューしてきた方は口をそろえてそうおっしゃっています。練習が大事だと。

A:あとはなんでしょうね。面接では逆質問タイムがあることが多いと思いますが、そういう時は思い浮かばなかったら新人の教育方針とか、会社の雰囲気や福利厚生などを質問してみてもOKだと思います。そういう質問をしたら、「この人、うちに入る気がありそう」と思ってもらえたりもします。

Q:ありがとうございます。多数の選考を経験されていたからこそできた貴重な経験だと思います。

 

つらかったこと、大事にしていたこと

Q:少し暗い話題になってしまうのですが、Wさんが就活を行っていた時、一番つらかったなーと思うことは何でしょうか?

A:つらかったことですか?うーん、周りの就活仲間が続々と内定を取れている中で「自分だけまだ1社ももらえていない、どうしよう」となっていた時ですかね。

Q:就活スケジュールが変わって企業も学生もバタバタしていた時期だと思います。しかも、Wさんが内定を取られたのも6月で、決して遅くはないのですが…やはり大阪大学という周りも実力が強い環境にいらっしゃった、からじゃないですかね。

A:それもあるかもしれませんが…とにかくその時はすごく焦っていましたね。「ここは行きたいな」と思った会社はエントリーシートすら通らない状況が続いていて、キャリアセンターの先生にも結構相談したり、たくさんアドバイスをもらったりしていました。

Q:周りのサポートがWさんの支えになったんですね。

A:はい。結果マイナビで何気なく見つけた会社の選考で発揮が良くて、内定に至ったんですが。

Q:それまでの努力が実った瞬間ですね。あと何か気を付けたほうがいいこととかあれば教えてください!

A:何点かありますね。まず身だしなみをきちんとしたほうが良いと思います。就活の時だけでなく、社会人になってからでも大事な部分です。

Q:特に日本ではみなさんが同じような格好をしていますし、違う格好をしていたらすぐばれますよね。言葉悪いですが、身だしなみが悪ければ一発NGになる可能性だってありますしね。

A:うん。日本人の方は「私服」と言われても、スーツで来る人が大半ですからね(笑)あとは遅刻するとか時間にルーズなことはやってはいけません。言わなくてもわかると思いますが…

Q:そうですね!さすがに台風があって飛行機が遅延した、とかは仕方がないところですが、電車などだと少し早めに出発するなど、いくらでも遅刻を避ける方法がありますからね。遅刻しそうと思ったときの連絡の仕方さえわからない人も多いですし。

A:あとはみん就とか就職情報サイトの活用ですね。外資とか受ける方は、その会社の中国法人や他の国の現地法人での面接質問集とかも確認したほうがいいかもしれません。

Q:うんうん。確かに外資企業だとグローバル採用しているところが多いのでその意味での参考になるでしょう。

A:私は併せて何十社も受けたのですが、実際に志望度の高い会社はそんなにありませんでした。ある意味、志望度の低い会社を練習だととらえてもOKだと私は思っていて、ただ「練習」とは言っても手を抜くわけではなく、しっかりと準備した上で臨むべきです。

 

後輩に伝えたいこと

Q:ありがたいアドバイスをたくさんいただきありがとうございます。それでは、今後就活をする後輩やいま就活中の後輩に向けて、何かメッセージをお願いしてもよろしいですか?

A:はい。私は、就活は決して楽しくないと思っています。

Q:はっきりと「楽しくない」とおっしゃったインタビュアーの方初めてです(笑)でも確かにそうですよね。

A:楽しくないからこそ、早めに自分の目標を定めて、それに向かって進むべきじゃないですかね。

Q:楽しいか、楽しくないかは別として、目標を定めることの大切さ、それに向かって進んでいく行動力は本当に大事だと思います!

A:うんうん。就活をするときは、ごく一部の人を除いて、みんなは苦労するんですよね。「つらい」、「やめたい」、「母国に帰りたい」と思う瞬間は誰にでもあると思います。「つらい」のは、いまそう思っているあなただけじゃないのです。なので、本気で日本で就職したいのであれば、つらくても、あきらめないでほしいと心から思います。選考に落ち続けてしまうときや、メンタル的にダメになったときなど、一人で抱え込まないで、先生でも、友達でも、就活仲間でも、誰でも大丈夫なので相談をしてもらって、息抜きを忘れずにしましょう。

Q:思わず聞き入っていました。就活だけでなく、進学にしても同じような瞬間があるので、そういう時はやはり第三者との相談と息抜きをしないと乗り越えられないですもんね。本当にありがとうございました!

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