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日本の採用形式(新卒採用・中途採用)及び海外との違い

留学生のみなさんは日本に来て、日本人の方々の就活を目の当たりにすると、「なぜ卒業よりもこんなに早く就活しているんだろう」、「なぜこの時期しか新卒向けの採用活動は行われないだろう」と思ったり、多少は違和感を抱くと思います。他の国、特に欧米では、学生が卒業後に就活を始めたり、ギャップイヤーしても普通であったり、いろいろ違うところがあるのです。 中途採用を含め、日本と海外の採用形式を比べてみました。

日本の採用形式(新卒採用・中途採用)及び海外との違い

日本の新卒一括採用と中途採用

まず、新卒一括採用は、定期採用とも呼ばれており、新卒者(新たに大学や大学院を卒業する者)を対象として決められた期間にのみリクルート活動を行い、学生の在学中に採用試験を行い、内定を出し、卒業後の年度初めには入社してもらうという日本の雇用活動を指します。

日本ではこの新卒一括採用の歴史は長く、多くの企業に取り入れられてきており、企業にとっても学生にとってもそれぞれメリットがあり、さらに日本人の国民性にもマッチした合理性も認められています。

そもそも、なぜ新卒一括採用が始まったのでしょうか。

諸説ありますが、新卒一括採用は明治時代までさかのぼることができ、その時に管理職や事務職などホワイトカラー層の採用方法として一部の企業が取り入れてきたことは起源だと言われています。

ただ、第1次世界大戦がはじまった1914年より人材不足が発生してしまい、企業は各自の採用を確保するのに力を入れるようになり、そこから在学中の学生に選考をかけ採用内定を出すという習慣ができたのです。

その後に金融ショックがあり学生が就職難に陥り社会問題ともなりましたので、1929年には定期採用に関して在学中に行ってはいけない協定に至りましたが、採用戦争が落ち着かず、人材を一刻も早く自社に取り込むため多くの企業は協定を破ることなく雇用者の確保を行う結果、採用内定制度が誕生し、いまも根強く残っています。

 

新卒一括採用が「ポテンシャル重視」の未経験者採用であるのに対して、中途採用は実務経験が豊富な人材を狙っており、いわゆる「即戦力」採用というのは大きな違いでしょう。また、中途採用の場合、経験、スキル、資格が求められることがほとんどです。

新卒一括採用は年度の始まりである4月にその年の新卒を迎えるわけなのですが、タイムリーな「欠員補充」に充てることが難しいというところもあり、多くの企業は新卒一括採用と中途採用を併用しています。

また、新卒の採用は戦線が長く、場合によっては1年以上をかけることもあり、それに対し中途採用は数週間で内定を出すことができるというのも大きな違いと言えるでしょう。

 

海外の採用事情

ここまで、日本の新卒採用と中途採用をご紹介してきました。よく、日本の新卒採用は海外では存在しない、と言われていますが、実際はどうなのでしょうか。

 

韓国

韓国の場合、時期などは違いますが新卒就活の形式は日本とそれほど変わりません。大学4年から就活が始まり、エントリーシート→筆記試験→面接試験の流れを経て内定を取る流れですが、グループディスカッションなども行われたりします。

ただ、近来の日本みたいに就職率は高くなく、かつ入社条件も厳しいと言われています。日本で言う大手企業に入りたい場合、英語力などの資格が求められることが多く、そもそも大手企業は財閥系がほとんどで求人倍率が半端なく高いので、募集人数もそこまで多くありません。

 

中国

中国では、大学3年生~4年生は、まずインターンシップから就活をはじめる人が多いです。インターンシップとは言っても、日本のような1、2日間のものではなく、短くても3ヵ月~6ヵ月はやり続けます。そういった「就業体験」が就活の際に大いに役立ちます。そのまま、インターンを経験した会社での就職を決める人も多くいます。

また、時期的にも大学4年生が就活に入り、9月が学年の始まりであり、秋、春の2回多くの企業が求人情報を出し選考活動をする傾向があります。学校での説明会も多く行われています。

現地の学生は就活をしながら大学院受験もしていることも多く、公務員の試験も同時に受けられるのでより多く内定を集めて報酬の高いところに行くのは普通です。

 

アメリカ

日本と比べ終身雇用制度がなく、通年採用が普通であるアメリカですが、新卒でも即戦力として要求されるため、学歴、成績や学生時代の専攻と志望の職種との関連性も厳しく見られますし、長期インターンシップを通した実務経験も必要となります。

また、日本のような一括採用はなく、大体欠員が出たポジションへの補充が主になるため、ポジション別の採用がほとんどです。

 

イギリス

イギリスもアメリカ同様、実務経験を大事にしています。どちらかというと、学歴よりも実務経験が厳しく見られます。なぜそのポジションに自分が適合しているのかをロジカルに説明する必要があります。

また、面接選考は一部の大企業を除き基本1回となり、日本のように何回も面接を重ねることはほとんどありません。内定が出たら、まず1ヶ月働いてみて、そこで本採用するかどうかが決まるのは普通のようです。

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